静かな怒り

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「なるほど・・・」 「たかが1個艦隊・・・いや、今は2個艦隊か。規模が小さい分、能力を最大限に発揮するには個々の練度を上げるのは当然だが、艦隊全体がひとつに纏まらなくてはならない。特に大佐はそこを重要視しておられる。その点は他の指揮官に追随を許さないレベルだ」 ベッカーが説明すると、各艦の艦長達は深く頷く。例を挙げれば、ウィルが執務の合間に行なっている個艦訪問。小なりとは言え、作戦行動中は多忙を極める艦隊司令官がそのような事をするのはなかなか出来るものでは無い。 「副長、俺は当たり前の事をしているだけだ。そんなに持ち上げないでくれ」 照れ臭そうに頭を掻くウィルに艦長達から笑い声が聞こえた。それにつられてマックも笑顔を見せる。 「さて・・・航空さんの自己紹介も終わったようだし、そろそろ俺の番で良いかな司令官?」 マックの傍らに立つ、軍服がはち切れんばかりに筋骨隆々の巨漢が口を挟んだ。
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