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「……だよな」
下の階から僅かに侵入者によるものであろう声が漏れる。
「……は……に……ある……だよな」
微かであるため全ては聞き取れないが、なにかを物色しているようだ。
そして、会話をしていることから、おそらく侵入者は二人いる。
「冥王は……だと言っていた……ここに……はずだ」
冥王。
侵入者の間でのコードネームだろうか。
だとしたら狙いはなんだろう。
「……上……見てくる」
「ああ……あのアマのこと……隠しているかもしれない」
コツコツ。
おそらく、侵入者のうちの一人が、階段を昇っている音だ。
「こっちに来るぞ」
俺は精一杯声量を抑えて秀司に言った。
秀司は真剣な表情でドアを見据えている。
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