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「おい! 黒醒の地(ブラックエリア)が切れそうだ! ずらかるぞ!」
下の階にいる男が叫んだ。
意味のわからない言葉を発しているが『冥王』と同様、あいつらの中で使われている暗号だろう。
「待ってくれ! あと一部屋だけ見てない部屋があるんだ!」
やばい。
この部屋に入ってくる。
どうする?
立ち向かうか?
それとも殺されないことを願うか?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
秀司が目で合図をしてくる。
秀司の目線は俺から窓に移った。
そうか、窓から飛び降りるのか!
その時、部屋のドアが外側から開けられ、黒いローブを着た男が入ってきた。
「あった!」
男はなにか探し物を発見したように高らかに叫んだ。
「マサムネ! あったぞ!」
近づいて来るもう一つの足音。
俺達は恐怖のあまり、その場から動くことができず、ただ息をのむだけだった。
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