侵入者

5/7
前へ
/12ページ
次へ
「おい! 黒醒の地(ブラックエリア)が切れそうだ! ずらかるぞ!」 下の階にいる男が叫んだ。 意味のわからない言葉を発しているが『冥王』と同様、あいつらの中で使われている暗号だろう。 「待ってくれ! あと一部屋だけ見てない部屋があるんだ!」 やばい。 この部屋に入ってくる。 どうする? 立ち向かうか? それとも殺されないことを願うか? どうする? どうする? どうする? どうする? どうする? 秀司が目で合図をしてくる。 秀司の目線は俺から窓に移った。 そうか、窓から飛び降りるのか! その時、部屋のドアが外側から開けられ、黒いローブを着た男が入ってきた。 「あった!」 男はなにか探し物を発見したように高らかに叫んだ。 「マサムネ! あったぞ!」 近づいて来るもう一つの足音。 俺達は恐怖のあまり、その場から動くことができず、ただ息をのむだけだった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加