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「きゃーーっみずき君!こっち向いてーっ」
「やばい!!かっこいーいっ」
朝からありえないくらいにうるさい教室。
理由は簡単。
なんでもこの高校で一番かっこいいと評判の'みずき君'がこのクラスらしい。
ちなみに私、遠野花恋(とおのかれん) 16歳は全く興味なし。
だから一緒に騒ぎたい!!
・・・なんて思うわけもなく。
何もすることがなくただ暇な私は、机にふせた。
「・・・あれ?!もしかして花恋ちゃん?!」
突然、後ろから名前を呼ばれて振り向く。
――が。
「・・・誰?」
目の前には背が高く、金髪にピアスのいかにもヤンキー・・・な男の子。
・・・こんな人知り合いにいたっけ
うーん・・・。
・・・いないよね?
見たことないもん
うん。いないいない。
「-ぇとー・・・ひ、人違いじゃ・・・ないでしょう・・・か・・・?」
確かに私は、花恋だけど・・・
こんな人知らないし。
「花恋ちゃん。俺のことわすれたの? ――幼稚園と小学校途中まで一緒だったのに。 穂谷星哉。(ほたにせいや)覚えてない??」
穂谷星哉・・・。
星哉・・・。
・・・あ!!
「・・・ってえええっ?!」
う、嘘?!
だ、だ、だって私の知る星哉くんは少なくとも黒髪で、ちっちゃくて可愛かったもん!!
間違ってもこんなヤンキーじゃないっ。
「あはは。花恋ちゃんテンパってる。可愛いーー。」
「ええっ?!」
な、な、なんでそーなるの?!
だって下手すれば近所中の女の子を差し置いて一番可愛かった星哉君がこんなヤンキーなんかになってるんだよ?!
普通にみんな驚くよ!!!!
しかもまさか会うなんて思わないし!!!
「星哉くんが―・・・」
「遠野花恋」
悪い、と言いかけた私の言葉は後ろからの声にさえぎられた。
振り向いた私の視界に映ったのはやたら綺麗な男の子とその後ろには素晴らしく鋭い目をした女の子たち。
「・・・えっと・・・誰、ですか・・・?」
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