【遠野花恋】

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「きゃぁーっかっこいい!!」 朝からうるさいくらいに騒ぐ女たち。 さわぎの中心は俺、藤沢みずき。高校1年生。 「みずきも大変だねー」 隣で星哉がのんきに笑う。 星哉は外見からは想像もつかないくらいのマイペースだけど俺の唯一の親友でもある。 「あの子、可愛い。」 唐突に星哉がぼそっと呟いた。 ・・・と同時に星哉の視線の先の女の子に周りの視線が集中する。 華奢な体にさらさらの髪。 そして澄んだ瞳。 「確かに、可愛い。」 ―――そう呟いたのが間違いだった。
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