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其処で一旦言葉を区切ると、女は下卑た微笑みを浮かべて少女を値踏みするような目で眺めた。
「そんな君だからこそ、蹂躙してみたいという欲求が沸き起こると言うもの。
痛みや恐怖で征服されたいかい?
それとも、――――…快楽で洗脳されたい?」
「き、っさまぁぁぁ!!!」
目の前の非道な行いに、そして侮辱的な言葉に少女の怒りは爆発し、目の前の女へと吼えながら駆け抜けた。
そして一気に間合いを詰めたかと想うと、長剣が女の左脇腹から右肩へと向かって力任せに振り上げられる。
けれど単調な攻撃を見抜いていたとでも言うように女は体を捻って回避し、次にはがら空きになった少女の腹部に足裏を叩き込んで弾き飛ばした。
「がはッ!!」
腹部に激しい痛みを感じたのは一瞬の出来事で、次の瞬間には背後へと吹っ飛ばされていた。
少女は地面の上を背中で滑り、漸く止まるも呼吸が上手く出来ずに激しく咳き込んでしまう。
身体中に痛みが走って、最早痛みを感じない部分を探すのが難しいくらいだ。
それでも気丈に起き上がろうとした少女の前には、いつの間にか距離を詰めていた女が佇んでいた。
けれど、そう気付いた時には遅かった。
肩に鈍い痛みが走り、踏みつけられたのだと咄嗟に判断するも、それをはね除けるだけの力がもう残ってはいなかったのだから。
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