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「でも、どうやって脱走したらいいの?私1人じゃ逃げ切れないよ」
「ちゃん考えてる。Zにいる、お父さんに頼もうと思う」
「無理だよ!脱走までしたらどんどん立場が悪くなる。それにあの組織が助けてくれるの?」
「私なら大丈夫、どんなことがあっても負けないから。それに、お父さんなら助けてくれる。鈴の親もいるし」
「……。大丈夫なの」
両親の話になると一気にテンションが下がり、暗くなった。
小さい頃に捨てられていたため、親との思い出もなく、良く思っていない。そんな自分を助けてくれるのか。
「もし、話をして鈴に害がありそうだと判断したら記憶を消すよ。読心術の石を持ってるから嘘はつけないから」
「分かった、梨依奈を信じるよ」
「ありがとう。話をするために脱走するけど、心配しないでね」
「でも、脱走したら校長先生に逆らえなくなる。闇にも」
「約束は守る。体が闇に染まっても、心は光に染まり続けるよ。信じて」
梨依奈は笑った。大好きな友達を安心させるために。
鈴も弱々しくではあったが、梨依奈の気持ちを感じとりうれしく思う。
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