脱走の始まり

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梨依奈はある場所にきていた。 周りはたくさんの木が生い茂り、前にそびえ立つのは高い高い塀。 塀から空高くまで結界が張ってあり、脱走するのは不可能。できたとしてもすぐに捕まるだろう。 爆破かなにかで塀を壊せば結界電流には触れない。ただし、アリスが強くなければ無理だが。 そんなことを考えながら塀の一番上を見上げながら、手に持つアリス石に意識を集中させる。 「この塀を壊せばすぐに追っ手がくるばずだから、結界のアリス石をネックレスにしたし、すぐ逃げられるようにテレポートのアリス石も持ってるから大丈夫だよね」 もし脱走が失敗するとすべての作戦が崩れ、もう二度と脱走するチャンスは訪れないだろう。 自分はこのまま危力系にいれられ、恐らく監視が厳しくなり初校長の命令に逆らえなくなる。 そうなれば鈴を救うことができなくなる。たくさんの人が苦しむことになる、初校長によって。 それだけは避けないといけない。 大事な友達のために。
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