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「よいしょ、なかなか重いわね……あら?」
ブルーがアンプを持ち上げるがそのアンプをひょいとグリーンが奪う
「これは重いからお前はそっちの延長コードを持ってこい」
「え……あ、ありがとう」
さっさと背を向けてグリーンは行ってしまったが
顔はよけいに引きつっていたが耳は少し赤かった
ブルーも予想外の出来事にきょとんとしていたが
すぐに気を取り直して準備に取り掛かる
「クリス~」
「なに?」
「これはどこ置きゃいいんだ?」
「そうね~」
クリスはうーんと首を傾げながらステージの方を見る
「真ん中ちょっと後ろくらいかしら………それにしても暑いわね……」
「そうだな………これ置いたら茶持ってくっからちょっと待ってろ!」
ニカッと笑いひょいひょいと機材をゴールドが運ぶ………
「いつもああやって素直ならいいのになぁ………」
ため息をつきながら複雑な表情でクリスはゴールドを見ていた
「クリス」
「ひゃあっ!あ、あたあたあたあたしはゴールドを見てたわけじゃ………ってシルバー?」
「何あわててるんだ?………それよりこの番号は間違っていると思うんだが……」
「………あ、本当に……ごめん間違えちゃったかな……」
「クリスが間違えるなんて珍しいな………」
「そうだそうだ、お前は少し休め」
シルバーとクリスの話間にお茶を三杯持ったゴールドがやってきた
「……そうね、ちょっと休憩にしようかな………ありがとうゴールド」
「………ま、いつもの苦労の返しってことで……」
「それにしては少なすぎ……」
「………ごめんなさい…」
「……何よ、今日はやたらと素直ね」
「………べ、別にいいじゃねーか………っていつも素直だ!」
「悪い意味でね」
「な!?いい加減怒ったぞ!」
「何よ、やれるものならやってみなさいよ」
「………そろそろやめろ、二人共」
シルバーの声に二人は我に帰りしぶしぶ座る
一時のいい空気はなんだったんだ……とシルバーはほとほと呆れて一つため息をついていた
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