最初のお話「お母さん」

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扉が閉まったエレベーターの中には、真悠子一人。 冷や汗が頬を伝って床を濡らした。 今の少年は一体なんだったのだろう… 幻覚…? ちんっとエレベーターが止まり屋上に着いた。 真悠子はエレベーターから降りると小さな扉から外へ出る。 心地いい風が頬を撫でた。 さっきの事を考えても仕方ない。 だって…私はこれから真紀の所へ逝くんだから… もう…何も考えたくない。 真悠子は広い屋上を歩く。 屋上に灯りはなく、真っ暗で周りがよく見えない。 それでも真悠子は一歩…また一歩とフェンスへと足を進めた。 .
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