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「真紀っ?!」
耳元で鮮明に聞こえた声に、真悠子はがばっと体を起こした。
身体中の毛穴から冷や汗が噴き出している。
真悠子は荒くなった呼吸を整えながら、頬を伝うそれをパジャマの袖で拭う。
「真紀……っ」
いつからだったろう…。
先月近くの公園から無惨な遺体で見つかった愛娘が、こうして夢枕に立つようになったのは…。
毎晩のように…泣きじゃくる娘が夢に出てくる。
゛お母さんっお母さんっ゛と耳元にはあの子の声が鮮明に残る。
真悠子の愛娘、榊原 真紀(享年七歳)が遺体で発見されたのは、先月…暑くなり始めた7月の半ばだった。
真紀は真悠子が目を離したほんの少しの間に、何者かによって数十ヶ所を刃物で滅多刺しにされ殺害された。
真紀がいない事に気づいた真悠子が辺りを探し、真紀を見つけた時には既に死亡しており、犯人らしき人物も見当たらなかった。
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