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どれくらい睨み合ったのだろう…
一分…いや十分…もっとかもしれない。
普通ならエレベーターの扉が閉まってもいいのに、まるでこの空間だけ時間が止まってしまったかのようで…
真悠子の耳には、早くなり続ける鼓動だけが響く。
「…僕は忠告したからね?」
長い沈黙を破ったのは少年の方で、そう呟いた後固まったままの真悠子に一歩ずつゆっくりと歩み寄る。
そして静かに真悠子の横を通りすぎ、少年はエレベーターから降りていった。
何事もなかったかの様にエレベーターの扉が閉まっていく。
完全に閉まろうとしたその時、低く暗い声が真悠子の耳に残った。
「…バカな人。」
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