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最北端の恐怖
しばらく歩くと、豪雪地帯にでた。
先程と違い、植物は何も植わっておらず、あるのは氷山と白い地のみの、静かな世界だった。
白熊「人間。」
七美「は…はい!!」
キョロキョロしていた七美は、いきなり呼ばれ、驚いた。
白熊「この地を、どう思う?」
簡単でいて、とても難しい質問が帰ってきた。
七美「ビーストワールドなのに、動物が少ないですね。」
必死にだした答えであった。
白熊「…そうであろう。
貴様ら人間が、ここの動物の住処をなくしたのだからな。」
先程とは違う口調に、少し戸惑いながらも話をきいた。
白熊「…知っているか?
このビーストワールドは、貴様ら人間が住んでいる所とは違う。
このビーストワールドは、貴様ら人間世界で暮らしている動物達のパロメーターなのだ。
つまり、そちらの世界で一種の動物が絶滅してしまえば、ここからもその種の動物が一匹減るということになる。」
一息置いて、七美の方をみた。
白熊「そこら辺にある氷山は、私が作ったものだ。
あちらの世界では、動物達にはどうしてあげることもできない。
しかし、私はいつもあの氷山を見ては悲しくなる。
何故だか、わかるかしら?」
また口調が変わった。
不気味に思った七美は、後ずさった。
しかし、何かにぶつかり、逃げることができなくなった。
振り向くと、氷山の中に……
七美「これは…!!!?」
白熊「…そう。
向こうの世界で行き場を失ってしまった…---
---…絶滅した動物達よ。」
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