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外に出た瞬間、桜が満開で、とてもすがすがしい気持ちになった。
これから高校生活が始まるんだ。
桜の中、足取り軽く歩いていると、向こうから小さな猫が歩いてきた。
七美「…本当にビーストワールドは無いのかな…?」
小さな猫を見ながら、呟いた。
よくよく考えると、母が言っていることが正しく思えてきた。
小さな猫はぴたっと止まった。
七美はそれに気づかず、どんどん歩いて行く。
?「ビーストワールド、あるよ。」
七美は、不意に止まり、声のした方に振り向いた。
そこには先ほどの猫がちょこんといただけだった。
七美「…寝ぼけてるのかな?」
?「寝ぼけてないよ。」
桜が風と共に舞うなか、ただ猫を見ていた。
周りの音が、全くと言っていいほど、聞こえなくなった。
七美「…これは…夢?」
猫「夢じゃないよ。」
気づいたら、周りに動物が集まってきていた。
鳥も、猫も、犬も…
どこからともなく動物達が出てきた。
犬「おい猫、どうすんだよ。
人間はあの世界に行ってはいけないし、第一、知られてはいけないハズだろう?」
インコ「口を慎みなさい。犬。猫は王族の仲間。きっと王に考えがあるに違いないわ。」
猫「そう。
竹原七美様、王のライオン様が、あなたに会いたいと申された。」
犬「王は何考えてるかよくわからないな。
狼様や狐とまた喧嘩するだろうな。」
雀「それはそうと、神である四神様にも報告してあるのかな?」
猫「それは後で話そう。とりあえず、ビーストワールドに行こう。
今、他の人間も外にいるからね。」
そう言うと、七美は一気に地面に引きずりこまれていった。
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