序章

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七美は、着いた瞬間、目を疑った。 ---動物が人間のような生活をしていたのだ。 ただ人間と違うのは、機械を使わずに、自然と共存していることだ。 この世界では、動物が人間となっている。 しかし、それでもやはり動物と同じように、リスは木の実を食べ、牛は干し草を食べていて、自然と共存していた。 しかし、どうしたものか。 いくら動物が人間のようになっていたとしても、人間がきたらすぐにばれるのは目に見えている。 猫「そんなに挙動不審にならないで下さい。」 そこに現れたのは、目が大きな少年だった。 どうやら先ほどの猫のようだ。 猫「…まぁ、私たち動物からすれば、人間というのは、共存していると思いこんでいる生物という認識が強いので、無理は無いですけどね。 でも今は大丈夫ですよ。 こちらの世界の者という許可書が、あなたにあるので。」 七美「…え?」 許可書をみると、分類は人間ではなく、麒麟となっていた。 七美「…麒麟?これって首が長い方の?」 猫「いえ。 伝説上の生き物とされる、いわゆるここでいう神です。 あなたは普通の人間と違う。 そう思ったのは、実は王だけではないのです。 神である四神様からも、あなたをこちらに連れてくるように言われたんです。」 七美「でもさ、私以外にも優しい人とかいると思うんだけど。」 猫「優しい人と、普通の人間ではないということは、全然違いますよ。」 白熊「その通りです。」 とても白く、背が高い可憐な女性がそこに立っていた。 猫「…!!! 白熊様!なぜここに? あなた様は最北端に居るはず。」 白熊「この世界の女王は私です。 あなたに指図されることは無いはずよ? そこにいる人間。 私について来なさい。」 七美「え…。」 猫「…この方はライオン様に合わせなければならない、大切なお客様です。」 白熊「あら、残念。 でも私の用事はすぐに終わりましてよ?」 猫「…」 白熊「…この世界を凍らせても良くてよ?」 猫「…どうぞ、ご勝手に。」 七美「そんな…!」 犬「おい、いいのか?猫。 白熊様に連れて行かれた人間は、戻って来ないって噂だぞ?」 そこにいたのは、忠実そうな黒髪の青年だった。 猫「犬か。 …大丈夫だと信じるしかない。 最北端には、四神様の一人、玄武様がおられる。玄武様が助けてくれると、信じるしかない。 それに、白熊様に逆らうことは、誰にも許されない。 なんせ白熊様は、地上最強の女王様だから。」
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