我がまま娘

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男2「確か、イトコでしたよね?やはり血の繋がりを感じやすね。兄貴に似ている」 血の繋がりってか 臓器移植しても拒絶反応も何も起きない位 同一人物なんだが? 正直、まだ同一人物とは 確信が持てないが あまりにも不自然に自然な 事が有りすぎる もしかしたら 皆で俺を騙してる可能性もある だけど、俺に関わる人間全員が 騙し続ける事が可能な演技を持ち合わせてるとは思えない まあ、今は受け入れるしかない訳だが 荷物を積み終わった組員は トラックに乗り込んだ 男1「では、先に行って家の前で待ってますんで」 トラックは駐車場から出て 我が家の方向にタイヤを回転させていった ここから家までは然程遠くないから 長時間待たせる事はないだろうが アイツらには世話になってばかりだし 俺から何かしてやれる事はないだろうか? 帰路を歩む間、そんな事をずっと考えていたが、 やがて、家の屋根が見えて来て 玄関先にトラックが止まってるのを確認すると 考え事を引っ込めた アイツらは勘が良い もし俺がそんな事考えてるっと知れたら ちょっとした騒ぎになる トラックメンバーがこちらに気付くと 頭を下げて挨拶をする あまり、頭を下げて欲しくないな……俺は人の上に立つのがあまり得意ではないのかもな 親父みたいに、社長にはなれない 家の中からもワゴンの二人が出てきた 組員が4人……本当なら コイツらにも仕事があるハズだ それをほっぽって来てる 男1「兄貴、今日の俺達は非番ですよ」 非番? ああ、そう言えばこの4人の本業は警察だったっか? あの組の組員の半分近くが 警察関係者だ 最近の警察は正義感が足りないと言われてるが その中でも正義感の強い奴らが 組に入っている 正義感が強いからこそ あの組に入る 組長が正義の塊みたいな奴だからな そう言えば アイツとは最近会ってないな…… たまには事務所に顔出してみるか
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