我がまま娘

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秋「じゃあ、俺の部屋の隣の空き部屋に全部運んでくれ。俺も手伝う」 はい! と、返事が帰って来たが…… 作業に入ろうとした組員の手を 止めさせる阿希 阿希「ちょっと待って!」 秋「何だよ?」 阿希「アンタの部屋ちょうだい」 …………は? 秋「意味がわからない」 アンタとは俺の事だろ? つまり、俺の部屋をくれ? ってことだよな? うん、やっぱり意味がわからない 阿希「アンタの部屋をちょうだい。意味分かる?」 馬鹿に勉強を教える様に、 数学の公式を教えた後に ちゃんと理解出来たか確認するように 聞いてきた 秋「いや、分かってる。だけど、何故お前に俺の部屋を渡さんとイカンのだ?」 阿希「あそこが良いから」 即答した 理由が適当だなぁ…… 秋「家具の入れ替えメンドクサイ、時間掛かる、よって拒否だ」 阿希「大丈夫、手伝ってくれる人がこんなに要るじゃない?」 組員4人へと視線を向ける阿希 初対面の相手を お手伝いさんみたいな言い方すんなよ…… まぁ、俺も言えた義理はないが 男1「俺らで良いならいくらでも手伝いやすよ?なぁ?」 組員三人「オッス!」 何コイツら? 流石に人が良すぎじゃないか? でも…… 秋「いいのかぁ?俺が16年近く使ってたんだぞ?」 少なくとも 男兄弟なら部屋の交換なんて 抵抗なんて殆どないだろうけど 女の子って 大抵は男の部屋というのは 嫌うものがあると思うのだが? 阿希は少し考え込み 阿希「我慢する。どうにも落ち着かないのよ、私の物じゃないのって……」 そう言って俺の肩を掴み しゃがむ様に促してくるので 阿希の伸長に合わせて屈む 阿希「あの部屋は私の部屋と同じなの……」 そう耳元で囁く 私の部屋とは、コイツの元居た世界の 阿希自身の部屋のことだろう? 俺の部屋の隣の部屋は間取りが違う たぶん、それを知っている 私の部屋の隣の部屋は 俺の部屋の隣の部屋が同じだからだろう 私の物じゃないのは嫌か…… その気持ちは分からない 俺には全く分からない ケド、俺が全く分からないからこそ 真逆の場合 言葉は悪いが ヘドが出るほど嫌 なんだろうな? まぁ仕方ない…… あまり拒否しても駄々捏ねそうだから 秋「分かった、交換しよう。」
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