決意表明

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秋「痛っ!?」 平手が頬に……ではなく、 鼻を中心に真っ正面に飛んできた 何すんだっと言う前に 阿希「黙りなさい」 俺の口を塞ぎ ボソリと呟く 完全に目が覚めた俺は 状況確認する為に 手で口を抑えられてるため 顔も動かせないので 目だけを動かし当りを見回した 右へ限界まで動かせば 深夜の頭が見えて 左へ向けるも見えたのはソファの背もたれ 上へと向けても ソファの背もたれ ちょうどL字の角部分 下に向けると自分のソファからはみ出した足 足を伸ばせば爪先が見える 状況が分かるものは殆どない 分かったのは 深夜がまだ寝ていて 寝息を立てている事だけ 目線を正面に戻せば 阿希がジト目を向けている いい加減手を放してもらいたく レスラーのように ギブアップというように 左手で阿希の手を三回叩く するとゆっくり離れる 声が出るようになったので 今一番知りたい事を尋ねた 秋「今、何時だ?」 阿希は背もたれから 顔を覗かせていたが引っ込めた 時計でも確認してるのだろう 数秒でまた顔を覗かせて 阿希「0時10分」 どうやら、眠っていた時間は 10分程度のようだ 喜びに飽きて 2階から降りてみれば 自分一人残して 二人は寝入ってる どうしたものか迷った…… という思考を通らず 真っ先に俺を起こすという 思考に至って実行に移したのだろう? 阿希「起きて、話しがある」 秋「話しなんかない、寝させてくれ」 再び寝ようと瞼を閉じる、が それが選択ミスだった パシンッ 二度目の平手が 鼻を中心に真っ正面に飛んできた 秋「イッ!?」 阿希「寝るな、私には話がある。それに、その子……み…深夜を家に送らないと」 秋「……………」 少し考え 溜め息が口から漏れ 片手で深夜の頭を肩から浮かせ 俺が今まで枕にしていた クッションを深夜の頭の下に置き その上に頭をゆっくり下ろす 俺はソファから立ち上がり 阿希の方に向き直る 秋「それで、話しとはなんだ?」 阿希「お腹空いた」 ………………はぁ? 阿希「ラーメン食べたい」 ………………はぁ 秋「それだけ?」 阿希「そう」 秋「……よし、分かった。ひっぱたかせろ」 阿希「駄目」 秋「…………………」 なんだかなぁ……
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