決意表明

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阿希「予定的には家出して、旅をして、自分の居場所を探そうと思ってた」 自分の居場所…… 阿希「でも、そんな計画も実行する前に、こっちに来てしまった」 「結果オーライ、って所かな?1日で私を認めてもらい居場所が出来た」 居場所…… 阿希「お父さん、つまりアンタのお父さんね。それと、深夜に光に恭弘くん。それと春ちゃんも」 さっきの必死に悲しみを堪える表情が嘘の様に 今は普通に可愛い女の子の笑顔だ そんな表情をみると 何故だろう? 俺も顔の筋肉が緩んで、 笑顔になりそうだ 阿希「それと……アンタもね」 俺に柔らかい笑顔を向けて そう言った その時、俺の心臓は一瞬、大きく飛び跳ねた そのまま気を引かれていきそうになった 阿希「でも、やっぱ嫌い」 しかめっ面になった あっそうですか…… 厨房の奥では店員が居眠りしている 客は、元々少ない店なのか、今日が少ないだけなのか分からないが 誰も居ない と、思ったら…店の入口が開き 頭にタオルを巻いた、 髭面のゴッツイ人が白いビニール袋を持って現れた その時、俺の横に座ってる阿希が呟いた 阿希「よかった、こっちにもあるんだ」 なんのことだ? 入って来た人はいかにも この店の店員って感じの…… いや、この店の店長だ ビニール袋を持って 厨房に入って、寝ている店員を 叩き起こしている 黒いTシャツを着ているのだが その背中に書いてある言葉が 面白い具合に、この人が店長であると証明している 俺 が 店 長 だ !!! 自作Tシャツだろうか? 寝ていた店員の背中には何も書いてなくて 少し残念だったが 別にいいか
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