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阿希は口の中のたこ焼きが無くなると再び喋りだした
阿希「とりあえず、今はその事は置いとこ……スゴい気になるけど……今はたこ焼き最優先!」
こいつの弁当にタコ無しのたこ焼き入れてみたい
もはや、焼きでしかない物を
たこ焼きだと思い込んだ状態で食べた時の反応が見てみたい
思い込みっと言うのは結構恐いものだ
例えるなら
麦茶だと思いきや蕎麦などで使う麺つゆ
コップに入っていれば
それが麺つゆだと思う奴は少ない
当然、色が似ている麦茶、烏龍茶
その辺りのものだと思い込み
躊躇なく飲み込む
薄めた麺つゆならまだしも……
濃いままの麺つゆ
それこそまさに自殺と言えよう
結構キツイ……
因み、経験者なわけだが……
何か、河が見えた………
綺麗でキラキラと輝いて………なかった
麺つゆの河に溺れた
阿希「おい、上の空で何してる?」
少しドスの効いた声色で
どつかれた
秋「いや、別に……」
阿希「下らない事を考えてると話が進まない」
秋「悪い」
たこ焼きはさらに3つほど
減っていた
阿希「話がそれたりしたけど、これからの事を考えた結果……ここにずっと居る。もうあっちには戻らない。」
力強く、躊躇い無く
阿希「死ぬまでこの世界で……あむっ………いふぃてふぐ……から!」
途中でたこ焼きを口に放り込み
そう宣言した
秋「食べながら喋るな、何言ってるかわかんねぇよ………何となく分かったけど」
『生きていく』
そう言っていた、と思う
秋「200万、勿体なくないか?」
皮肉混じりに聞いてみた
阿希「別に……あれはココに来る為の努力の証、鏡の通行料、そう思う事にしてる。」
少し躊躇いが見えた
200万はデカイからなぁ
俺が鏡に手を突っ込んで
向こうから拝借したいくらいだ
阿希「あっちに戻る事が出来ても、戻るつもりは無いから」
秋「ご自由に」
意思尊重
何も言わなければ協力しないし
頼まれれば全力を尽くす
相手の意思で決めた事を
俺は、俺が正しいと思った時
意思尊重をキッチリ掲げさせてもらう
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