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落書きされた後 花子がいつもランドセルに 忍ばせていた 少し古臭いクマの人形 その人形をイジメの中心的存在にいた女子が 花子に見せびらかす様に 頭の上でヒラつかせた 花子は冷静な無表情が一変して 人形を取り返そうと必死に焦りの表情でジャンプを繰り返した だけど、届かず 他の女子に羽交い締めにされて 身動き出来ない状態になった イジメの中心にいた女子は 人形の位置を 花子の目線に合わせて 人形の両腕をガッシリ掴む 何をしようとしてるのか 悟った花子は 顔を真っ青にして、静止の言葉を何度も繰り返していた ここまでは俺は階段の下から隠れて見ていた 俺はこの頃から暑さが駄目で 教室には冷房設備が 扇風機しかなく 涼しくない教室を出て 涼しい屋上に向かう階段に逃げ込んでいた この日も涼みに来ていた そこで花子のイジメられてる現場を目撃して 隠れていた 俺は 花子がいつもの様に受け流して終わると思い込んでいた事を後悔した その時の花子はいつもと違い 慌てて飛び出し 階段を駆け上がった だけど、遅かった 花子の泣き声が階段に響き ペタリと座り込んでいた
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