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花子は開いた手のひらには 腕をもがれて綿がはみだすクマの無惨な姿があった イジメていた女子達は 泣きだした花子を見て 戸惑っていた アイツらも俺と同じ様に 受け流されると思っていたんだろうな 俺はゆっくり花子に近づいた それに女子達は気付き 何か言い訳をしていたが 聞く耳なんか持たない 女子達はスルーしていると 花子は小さく嗚咽混じりに 何かを呟いていた 『おばちゃんの…おばちゃんの宝物、形見が…』 それを何度も繰り返していた イジメていた女子達に カチンっと来た… 中心にいた女子が言い訳を止めて 振っ切れた様に暴言を花子に浴びせた プチン 何かが切れた音がした ヘタれ込んでいた花子の肩を 一度強く抱きしめて 立ち上がった 女子達は中心の女子の 暴言におどおどしていた 俺は中心の女子に 近づき… パシンッ 一瞬、まさに一瞬 時間が止まった様な感覚があった 俺の平手が目の前の 中心の女子の頬を力一杯に ひっぱたいていた 花子の泣き声は止み 俺を見つめていた 女子達は固まった そして、この行動を取った俺も 固まった
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