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あの時の… あの、中心の女子だった 簡単簡潔に 『今までごめんなさい』 とヒトコト そして右下に名前が書かれていた 喜んで良い事だよな? 花子はその手紙だけを ランドセルに大切そうにしまい込んで 教室へ歩きだした 俺は横を歩く 俺達の教室のドアを開け様と手を伸ばした、が… 途端に変な不安が俺の手を止め、ドアを開けるのをためらった ドアの中では ヤケに嫌な笑い声が聞こえて来た 俺の思い過ごしかも知れない けど、開けたら駄目な気がした そんな事を考えてたら 花子は自らドアを開けてしまった 瞬時に、教室内は静まった 花子は足音立てずに ゆっくり中に入っていった 俺も慌てて入った 俺は俺の席にランドセルを置いた 窓際にたまっている 数人のクラスメートが クスクスと笑っている 気付けば クラス中から小さな笑い声が聞こえて来た コイツらの視線の先には 花子がいた コイツら最後の最後まで… 一番後ろにある花子の席に目をやると… 花子の机の上には 青い硝子製の花瓶が置いてあり 校庭に咲いていた花が 刺さっていた 俺って… 結構、サッカーが得意なんだよ
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