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とりあえず一言 『ごめん』 と告げた "ごめん"の内容は わからないだろうけど 説明するのも なんか恥ずかしい…… 内容を考えただけで らしくない、と恥ずかしくなった 逃げ出したくなり 教室を出て行こうとしたけど 花子に腕を掴まれた それと同時に 授業開始のチャイムが鳴り響き 担当の教師が入って来て 俺を見て驚かれた 右足首から大量の血が出ていた 教室は俺の赤い足跡で一杯だった いつからかわからなけど 俺の足の痛覚はおかしいらしい 保健室を経由して病院に連行された 花瓶を蹴った事により 全治一ヶ月の骨折らしい 病院までは花子も着いて来ていた 『保健委員の仕事です』 と言い 1日、学校をサボって 翌日、学校を去った 最後までロクな思い出を残せなかった 後悔しか残っていない 花子は500km以上離れた街に去り それから何年も経ち、 俺らの街に帰って来た あぁ、意外と覚えてるものだな… それから 俺達は花子を加えて 沢山話した 俺の話や 俺の恥ずかしい話 俺の馬鹿な武勇伝 どれもこれも 花子と深夜が競う様に 俺の話を繰り出してきた その度に テーブルに顔を伏せるハメになった てか、この二人は こんなに仲良かったっけ?
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