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深夜「な、何?」 体は前を向いたまま 不安そうな顔だけを俺に向けた そんな表情は気にせず 深夜の脇下に手を回し 肩を抱え… よいしょっ! 秋「おお、軽い」 深夜を持ちあげた 俺と深夜の肩が並ぶ位の高さまで軽々と持ちあげた 本当に軽かった 深夜「ちょっ、は…放して!」 ジタバタと手足を振りだした 秋「あ、危ない!」 秋「落とすから…暴れるなって!」 深夜「す、スカートが…」 秋「わ、分かったから」 ゆっくり降ろすと 腹に頭突きが入った 深夜「考えろ!」 秋「馬鹿に…考えろ…何てのは無理がある」 腹の痛みを堪えながら 電車がくるのを待った しばらくすると 少し温い風を纏って 電車がホームに流れ込んで来た キィー、という音をたて ゆっくり止まった 先頭にいた 深夜と並んで乗り込むと スーツ姿の人が 流れ込む様に沢山乗ってくる 俺は押し潰される様に 壁に追いやられた 俺? アレ?俺だけ? 深夜は? キョロキョロと辺りを探したが いなかった 見えるのは 薄い頭やオールバックの頭、 長いサラサラヘアー さらに帽子、などなど
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