我がまま娘

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秋「おい、何つっ立ってるんだ?お前も食べろよ、代わりになるものは探しとくから」 イライラしてたから 忘れてた お腹すいた 私は妹ちゃんの隣に座り 阿希「いただきます」 パクッ 美味しい 秋「良く噛んでたべろよ」 妹ちゃんは眠そうに 小さく返事を返す 私は返さない 小さな溜め息が聞こえ 背中に感じてた気配は消えた 少し不自然な足音が聞こえる 足音が向かっている場所は たぶん洗面所 まあ良いか 再び箸を進めると 妹ちゃんが お味噌汁を飲み干そうとしていた 茶碗は空、鮭は小骨のみになっていた 阿希「早いわね、ちゃんと噛んで食べたの?」 お味噌汁を飲み干して お椀を置き 私にポカーンとした顔を向ける すぐに 困った表情になり 春「お兄には内緒にしてっ?」 っと すがり付く様に頼み込んできた その純粋な・・・ いや、あまり純粋な頼み事じゃないから 純粋は違うか まあ大した内容じゃないし いいか 要するに 可愛いから 阿希「OK、お兄ちゃんには黙っておいてあげる」 パーっと明るい表情になって 春「ありがとう、お姉ちゃん!」 可愛いなぁ、もう 妹ちゃんは 自分の食器を持って キッチンに行き流し台に置いた 水の音がしたから食器を水に浸けているんだろう 良く出来た子だ 水を止め 約束だよっと言い残して 自室に戻って行った あ、忘れてたけど アイツの制服、妹ちゃんの部屋に投げ捨てっぱなしだった
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