我がまま娘

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とは言ったものの…… 二人は俺を挟んで 終始無言で駅についた まあ駅までそんな距離はなく 大した時間は経っていなかっただろうけど 地獄の様な空間に放り込まれた気分だった 秋「ああ、そうだ……ほら、コレ」 ポケットから定期入れを 取り出して阿希に渡す 阿希「何それ、定期?」 秋「そう、親父がメモと一緒に置いていったんだよ」 定期入れ何だから定期だろ 普通 っと言いたいが 不安定な空気になってる今 変に阿希を刺激して 不機嫌な一日を過ごす事に なりそうだったから 止める そんな事で不機嫌になる訳ないだろ だって? いや、なるね たぶん 何故か分かるんだよ 何故?とか聞かないでくれ わかるんだから それで良いと思う 俺にだって分からない、ケド あえて言うなら コイツが俺だから じゃないかな? 秋「お前に渡せってな。……玄関にあったケド気付かなかったのか?」 阿希「全然……」 メモが二枚定期入れの下に 挟んであった 一枚は『これは阿希のだよ。』 ボールペンで走り書きされていた 二枚目は 二つ折りにされて 見えるように 『阿希ちゃんへ』っと 書かれていた これは随分と丁寧で読みやすい字だった 宛名が阿希のために 俺は開かずそのまま定期入れに挟み 今そのまま渡した 内容が気になったけど 見るのはマズイだろと思う。 だけど 何て書いてあったんだろうな? あとで阿希に聞いてみるか そして ホームで電車待ち
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