我がまま娘

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男子「おい、志野!あんまり女の子をタブらかすなよ!それとも、見せつけてんのか」 笑いなが横を通り過ぎる クラスの男子が茶々入れてくる 秋「うっせぇ!友達だ!……っは!?」 友達…… そうだったコイツには友達が 居ないんだった まあ居ないと決まった訳ではないけど たぶん 孤独に近い状態だったのだろう …………? ………………? ちょっと待て… 真反対なら 俺に親父が居て母親がいない 俺としては幸せな日々を過ごしている 自分で言うとなんだか説得力はないけど あまり関係ない 俺がどんな状態の世界にいるのか そして コイツはどんな世界にいたのか 父親はいない っと言っていたから 母親がいて父親がいない ここは俺と反対になっている そして、不幸なのだろう…… 俺の親父が過保護 の反対なら放置 それが対になった言葉かは分からないけど 意味合いが似てれば良い 恐らく、コイツの母親からすれば 居ないも同然なのかも知れない 大袈裟に言っているかも 知れないけど その状態に最も近い奴が 俺の側にいるんだから そう考えても 考え過ぎという事は ないだろう そう言えば コイツが鏡に映ったり 窓に映った時も俺の目にはコイツの表情が 羨ましいそうで 寂しそうに見えた 気のせいかも知れないけど 気のせいじゃないかも知れない 考え過ぎなんて事はない 考えが足りない事で過ちは 幾つも起きている っと、 その時 ガシッ 深夜が俺の手首を両手で ガッシリ掴んでいた その反対側では阿希が Yシャツ袖口を掴んでいた 秋「お前ら、何してんだ?」 非常に歩きにくい 阿希「……友達」ボソッ 深夜「………」ニコニコ 阿希は俺を友達と称し 深夜はただ無言で俺に笑顔を向ける とても機嫌の良い笑みを 深夜「えっと、これからよろしく」 阿希「………」コクッ なんか良く分からないけど 仲良くなったみたいだ さっきまでの変な空気は消えて 深夜の友達受け入れ態勢の かなり柔らかい表情になっている 不思議な奴らだ 深夜はその場では 名前を聞かなかったが お友達になる気満々だ 学校に着けば校門に 我らの担任、美少女水中がいて 阿希は一度職員室に連れていかれた その言葉通り 連れて行かれた 連行ならまだ聞こえはマシだが アレは拉致に近かった 俺の顔を見るなり 険しい顔になって 阿希を引き摺っていった 秋「こわっ……」 深夜「教室行こう」ウキウキ なんかテンション高いな?
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