我がまま娘

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深夜は美味しそうに ハンバーグを口に頬張る 光も祖母に作って貰ったらしい 色鮮やかな弁当を頬張る 母親は料理が苦手らしい 恭弘「いつもの事だけど、美味しそうだねぇ」 物欲しそうな笑顔で 光の弁当を覗き込む恭弘 それに比べて 秋「寂しい奴だなぁ、コンビニパンとか……お前の分も作ってやろうか?」 ふざけて コンビニで良くみられる メロンパンをかじる 恭弘を茶化す 恭弘「嫌だ、男に作って貰った弁当は嫌だなぁ」 変わらない笑顔で 真面目な答えに混じった おふざけ口調が ムカッときた 秋「あっそ……」 ムカッとしたのは ほんの一瞬 阿希が体育座りで俺の背中の 後ろで隠れる様に丸まっている 阿希「…………」 赤の風呂敷の弁当を 阿希の足下に置く 阿希「なによ…これ?」 聞くなよ 秋「お前の分だ」 阿希「…………」 後ろを振り向いてないから どんな状態でいるのかは 正確には分からないけど 気配から 全く動かずに体育座りのまま 顔をうつ伏せて弁当に 手をつけようともしない このやろう……… 背中合わせ状態の阿希に 寄っ掛かり 首を出来る限り 前に倒し そのまま勢い良く 後ろへ戻す ガツンっと デカイ音が脳に響く それは俺だけでなく 阿希も同様に響いた事だろう やった後に後悔した 痛い 阿希「くぅ……ぎゅぅ……いぃ……」 頭の後頭部を押さえて 唸っている 秋「すまん、悪い」 とりあえず謝っておこう 秋「だがなぁ、いつまでそうしてるんだよ?とりあえず食え」 秋「腹減ってたら、午後の授業で大変だぞ?」 頭を押さえて 涙目をみつめる 秋「朝みたいに、ぐーーーーって!」 脅かす 阿希「……!?」 顔を真っ赤にして 弁当に手を伸ばす 卵焼きを口に運んだのを 見届けて 俺も弁当を広げて…… いただきます!
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