我がまま娘

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阿希は黙々と 弁当を口の中へと頬り込む そんな一気に食べたら 喉に詰まらせるぞ? っと言い出そうとした時 光「ところで、秋と阿希はどういう関係?仲良いみたいだけど?」 阿希「……!?……ん、んぐ……むぎゅ……」 秋「え?」 関係? 同一人物だけど? ドンドンドン 阿希が俺の肩を叩いてくる スルーして 光の問いに答える 秋「まあ、従兄妹だけど?」 間違っても 同一人物とは答えられない 答えそうになったけど 光「イトコ?だから苗字同じなんだ?……へぇ…」 ドンドンドン 何でよウッサイなぁ! 阿希「んぎゅぅぅぅ!?」 とてつもない形相で 自分の首を押さえながら 掴み掛かってくる おい、まさか…… 秋「詰まらせたかっ!?」 うんうん 何度もうなずいて 阿希「みぃ……みじゅぅぅぅ……」 秋「わっ…分かった!だれか水持ってないか?」 光「水……水……水……」 無いっ! っと慌てる光 恭弘「いっ……急いで買ってくるよ!」 変わらない笑顔で焦る恭弘 深夜「待って、ある。お茶」 走りだした恭弘を止め お茶を阿希に渡す深夜 それを受け取り 一気に流し込む阿希 ゴクリっと 喉に詰まらせていた物が 飲み込まれる音が この周囲の……つまり 俺、恭弘、深夜、光に 聞こえた 阿希「ふぅ……」 秋「おい、大丈夫か?」 阿希「死ぬ……もう少しで死ぬ……」 深夜「今度からはゆっくり皆で食べよう?」 うん、と小さく頷き 阿希「あ、ありがとう」 おお ちゃんと礼は言えるんだな っと 一瞬思ってしまったが 俺が知ってる内でのコイツは 礼儀は人並みには持ってる事は 知ってる ただ少し我が儘な一面があるせいで そういう風にも思うことがある
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