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―ただ、想いを伝えたくて。
ずっと…
逃げて行く君の背中を追ってた。
はずなのに。
気がついたら、荒野に独り。
君の姿は何処にも見当たらなかった。
君どころか、誰も。何も無かった。
いつも、自分の選んだ道が正しいと思っていた。思い込んでいた。
今まで、気がついていなかった。ある意味、当然。当たり前のことだったからだろうか。
思っていることに気付かなかった。いや、気付こうとしなかった、というのが正しいだろう。
だから、彼女をただ、追い続けていた。そう、ただ。
俺は、彼女の身に何が起こっていたのか知ろうとしなかった。
そうだ。俺は、彼女を見殺しにした。
助かる筈だった。俺が、手を差し伸べれば。
過去は取り戻せない。
でも、つい考える。
もし、「過去」をやり直せたら。
…そのときは、絶対に彼女を救う。幸せにしてみせる。
自己満足に過ぎない。
でも、言う。彼女を救えなかったのは、紛れも無い、俺だから。
あの日々にはもう戻れない。
俺はきっと、ここで“永遠”を過ごすだろう。
救えなかった彼女に想いを馳せて…
そして、答えの出ない問題を考え続けて…
永遠に。
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