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こちらの世界では持っていて当然のものであり、大切な名。
これからここで目的を果たす。
ならばこの世界の常識に従うのが無難であろう。
『それではどうか宜しくお願いします』
『うん!まっかせといて!愛紗ちゃんと鈴々ちゃんにも伝えておくね!皆で今日一日考えて、明日の朝に皆が出した名前でよかったのを貴方の真名にしましょう!』
劉備様は嬉しそうに手を叩き、すぐに関羽様の元へと走りだした。
が、すぐに止まりこちらを振り向いた。
『あ、今日はこの村の人達がお礼に泊めてくれるんだって!後であっちのちょっと大きい家に集合だからね!』
そういって手をブンブン振ってからまた走り出した。
『元気な子だな…』
小さく呟く声を聞いた者はいない。
自分の父とは、外見も性別も違うが、似ている部分もやはりある。
そして間違いないのは、あの子は優しいいい子だということ。
彼女を護る為なら、頑張る事もできそうだと思った。
空を見上げれば既に夕暮れも近い。
だが、まだ周囲には亡きがらとなった村人を弔う者も多く、荒れた村を片付けている者も多い。
手伝える事は何かあるはずだ。
そう考えて人の集まっている場所へと歩きだした。
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