最終章

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「何か、嬉しそうだな。」 「そう…ですか?」 「顔が、トローンてしてる。」 「……」 …また、トローン顔、 指摘されちゃった…。 「何て呼ぶか、思いついたの?」 「いえ、まだ…」 「…ちょっと試しに、呼んでみてよ。」 「え、でも…何て呼ぶか決めてない…」 「だから、試しに呼んでみるだけだよ。それで決定、て訳じゃなくてさ。 実際に呼んでみたら、どういう呼び方が呼びやすいとか、しっくりくるとか、分かるだろ。」 「それは…そうかもしれないけど…」 「そんな、難しく考えなくてもいいだろ。 同じクラスの、ちょっと仲良くなった男を呼ぶ、くらいの感覚で。」 「同じ、クラスの…」 もしも、同じクラスの男の子を、呼ぶとしたら…。 …名字か名前に『くん』をつけて呼ぶ、かな。 年上なら、『さん』をつけるとか…。 先生の名前は、「滝沢遼介」だから…、 「……」 は、恥ずかしい…。 そんな…いきなり、だし…。 …だいたい、何で私だけ…。 *
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