魔王という人

4/12
前へ
/103ページ
次へ
「え? 俺なんかした? 動き止まってるからちょうどいいや程度だったんだけど…?」 黎はきょとんとしている。 素で…。 魔物も含めここにいるすべての思考能力のあるものは思った。 『『『『『コイツ、最強に天然だ』』』』』 そんな考えのハモリを余所に。 「俺、眼が見えないからさ~、変化とかされても、見た目に惑わされないし、むしろマヌーサとか効かない人だからね~」 しかし黎の天然度は実はハンパなかった。 魔物でさえついつい突っ込んでしまい、完全に自分の置かれている状況、立場を忘れさせてしまっている。 自分の体は灰に変化してしまったのだから…。 『フフフ…』 突然に部屋全体から声が聞こえ、壁に響いてわんわんなった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加