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「間違いないよ。観覧車みたいなの見えるし」
早々に地図から目を離した野辺は双眼鏡を手に、問題の建物を観察していた。観覧車とされる物体は件(くだん)の建物の奥にある。星の光と建物の光に照らされ、うっすらと観覧車をらしきシルエットが浮かび上がっているのだ。
「さっそく俺は行こうと思うんだけど、お前らはどうする?」
「意義なーし」
高橋は即答した古川から他の三人へ視線を移す。三人は普段通りの小さい笑みを見せている。三人から否定の意思は一切感じられない。
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