序章

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      その頃、ボクは二年生で十四歳。キミは三年生。 早生まれで一月生まれのキミと、四月生まれのボクとは三ヶ月しか誕生日は違わない。 でも中学生にしたら一学年の差は恐ろしいほど重くて、キミはとても大人で遠い存在に思えていた。 キミへの想いに気付いた時、どうしてあと一ヶ月だけでも早く生まれなかったのだろうと悔しい思いもした。 たった一ヶ月、たったそれだけ早く生まれれば、キミと同じ学年だったのに。 ボクとキミとは学年が違うから、生徒会で一緒になるまで、大した会話をしてこなかったはずだ。 それなのに、ボクはいつの間にかキミを好きになっていたし、好きになったのもキミの存在を知ったのも、もっとずっと前からだったような気もする。 小柄で、おしとやかそうなキミは決して周りの空気を変えるような目立つタイプの可愛さではなかったけれど、ボクの学年にもキミの学年にも、その姿にときめいてる男子は何人もいたようだ。 確かにキミは充分以上に美少女と呼べる見た目だったし、白い肌は輝くようで、肩くらいまでに切り揃えられた髪は黒くて艶やかだった。
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