No.02 アイスピック

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  「分かった。犯人を見付けたら危険が無いと分かるまで接触しない」 彪兎は手のひらを葵に向け、葵は満足げに頷いた。 「フフ。アナタ達お似合いのカップルね」 梨恵はさも楽しげに2人を見ていたのだが、彪兎から鋭く睨み付けられたので、微笑みながら話題を変えた。 「それにしても、殺してから首にアイスピックを突き立てるなんて、随分物好きな殺人犯ね」 「それに尾足先生の評判は良かったのに」 尾足 勲(オアシ イサオ)彪兎達の通う学校に勤める、御歳50歳の数学教師だ。 おおらかな性格に加えて、指導の上手さも手伝って生徒からとても慕われていた。  
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