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「尾足先生は人から恨まれるような人じゃないから、きっと偶然狙われたのね」
葵がやりきれないといったような表情を浮かべたのを見て、彪兎は口を開いた。
「偶然なんかじゃない」
「……どういう事」
「死んだ人間にアイスピックを突き立てるような逸脱した人間は、絶対に理由ある行動をするんだ。常人には理解できない動機や、殺人の法則が必ずある。」
尾足先生は首を絞められ殺された後にアイスピックを刺されたらしいのだ。
殺した人間に手を加える。
そんな行動を起こす人間が正常(まとも)だとは到底思えない。
「つまり尾足先生は殺人犯のターゲットと成りうる何かがあったわけね」
「おそらく。しかし……」
それが分かるのは、2人以上の人間が犠牲になってからであった。
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