No.02 アイスピック

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  「兎に角まだ事件は1人目の犠牲者が出たにすぎない。しばらくは接触することなんてないだろうし、安全だろう」 「……ならいいわ」 犠牲者として1人が既に、亡くなっているのにも関わらずそれを『まだ1人』と言う彪兎。 そのことを聞いた葵自身、自分がそのことについて何も感じない事に薄く自虐的な笑みを浮かべた。 「今日はもう帰るの」 彪兎がカバンを持って立ち上がった。 「嗚呼、菊池に表通りで買い物に付き合うように頼まれた。部屋の模様替えをするらしい」 「へー」 楽しそうに頷く葵。 「……何」 沙耶は高校進学に伴って葵の家で葵と一緒に暮らしている。 「あの子今日は表通りで遊んで帰るそうよ」 「……ハァ」 彪兎は溜め息を吐いてから再びカバンを置いて腰を下ろした。  
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