66人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
今年の冬は寒かった。
例年になく冷え込み、寒さが厳しい冬休みとなった。
寒さが苦手な彪兎にとっては冗談ではなかった。
そんな事はさておいて、彪兎は何故か分からないが、年明け早々葵の自宅でお節料理をご馳走になっていた。
寒いのが苦手な彪兎は、冬休みに入ってから一歩も外に出なかったのだが……
「アンタ初詣くらい行きなさいよ」
母親にそう言われたのが、1月の3日になってからだった。
彪兎は寒さ対策を十二分にして、渋々と初詣に行ったのであった。
そしてそこに居合わせたのが、他でもない、もちろんの事、葵である。
2人はそのまま初詣と言う行事を済ませ、彪兎は帰ろうとした時、葵が彪兎を呼び止めた。
「お節食べない」
彪兎の母親はお節料理が好きでは無いため、年が明けてから彪兎は餅以外のモノを口にしていないのだ。
そんな中での申し出……
「ご馳走になるよ」
彪兎はこうして葵の家に向かったのであった。
最初のコメントを投稿しよう!