No.00 プロローグ

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  今年の冬は寒かった。 例年になく冷え込み、寒さが厳しい冬休みとなった。 寒さが苦手な彪兎にとっては冗談ではなかった。 そんな事はさておいて、彪兎は何故か分からないが、年明け早々葵の自宅でお節料理をご馳走になっていた。 寒いのが苦手な彪兎は、冬休みに入ってから一歩も外に出なかったのだが…… 「アンタ初詣くらい行きなさいよ」 母親にそう言われたのが、1月の3日になってからだった。 彪兎は寒さ対策を十二分にして、渋々と初詣に行ったのであった。 そしてそこに居合わせたのが、他でもない、もちろんの事、葵である。 2人はそのまま初詣と言う行事を済ませ、彪兎は帰ろうとした時、葵が彪兎を呼び止めた。 「お節食べない」 彪兎の母親はお節料理が好きでは無いため、年が明けてから彪兎は餅以外のモノを口にしていないのだ。 そんな中での申し出…… 「ご馳走になるよ」 彪兎はこうして葵の家に向かったのであった。  
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