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「死体が見つかったらしいわ。なんでもなにか目に刺さっていたらしいの」
彪兎は込み上げてくる笑みを押し殺してから、ゆっくりと口を開いた。
「もしかしたらアイスピックじゃないですか」
「たぶんそれよ。先の尖ったモノよね。怖いわ」
彪兎は女性にお礼を言ってから、その場から立ち去る為に歩き出した。
「菊池帰るぞ」
「なんだ。殺人事件かよ。もっと奥まで行って見て来ようぜ」
彪兎もソレには賛成だが、人が多いうえに警察が居る。
思うように見て回れないならば、今見なくても支障はない。
また別の日に来れば良いのだ。
「お前その荷物持ってあの人混みを歩くのかよ」
彪兎は菊池を説得すると現場を後にした。
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