No.03 的

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  「明日は尾足先生の事件の調査で学校休みじゃん。家来て模様替え手伝ってくれよ」 「嗚呼。別に良いけど」 彪兎はそう言いながらも、今回の被害者の事を考えていた。 被害者の名前は分からなかったが、周囲の会話に耳を傾けていた彪兎は被害者が80歳を超えた女性である事が分かっている。 もちろんこの程度の情報から得られるモノは皆無だが、次の被害者の予想を立てることは出来る。 それは彪兎にしてみれば、競馬でもするかのような、予想を立てることを楽しむゲームに過ぎないのだ。 50代の数学教員 80代の女性…… 次は誰で誰なんだ。 ダレダ…… 「おーいアヤトー?」 「!!、あ。嗚呼、悪い。どうした」 菊池の言葉で急に現実に引き戻された彪兎。 「あの子こっちに手を振ってるけど、アヤトの知り合い」 彪兎は菊池の指差す方向を見てから、盛大な溜め息を吐いた。  
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