No.00 プロローグ

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  そんなこんなで葵の自宅を訪れた彪兎であったが、思いのほかもてなされた。 理由は単純明解で、彪兎が葵を助けたからだ。 葵の母親は葵とは対照的に、明るい笑みを浮かべて彪兎をもてなした。 「アナタがあの子を助けてくれたんですってね。それに最近あの子がオシャレしているのも、アナタのおかげね。あの子にアナタみたいなカッコイい彼氏さんが出来たなんてねぇ」 「ええ……」 彪兎は眼で葵に助けを求めたが、葵は薄い笑みを浮かべるだけ。 彪兎の貴重な姿を見て楽しんで居るのだろう。 「私に出来る御礼はするわ」 「いいえ……このお節料理で十分です」 彪兎はスイッチを切り替えて、爽やかな笑顔を向けた。 葵は小さく吹き出した。  
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