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4月になった。
彪兎と葵は2学年に進級し、梨恵も未だにカウンセリング室に居る。
特に変わった事は無く、毎日が過ぎていく。
しかしながら彪兎の毎日の溜め息は増える一方出会った。
「また溜め息吐いてるわよ」
屋上で桜を眺める2人。
この真下で去年、1輪の薔薇が咲いたのだ。
「楽しんでるだろ」
「アナタの仮面の変化がとても愉快だわ」
彪兎は溜め息を吐いた。
「来たわね」
葵は愉快そうに笑みを浮かべ、屋上に向かって駆け上がって来る足音を聞いていた。
そして、屋上の扉を開けたのだ。
「彪兎センパイ!!」
彪兎はいやいや頭のスイッチを切り替えて、挨拶をする。
「沙耶ちゃん入学式お疲れ様」
沙耶は笑みを浮かべ、それから顔を赤らめてお礼を言った。
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