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「おい大丈夫か!」
どこからか隼人と真依が駆け寄ってきた。
「幽夏大丈夫!?」
私の上に乗っている雅も心配そうに私を揺する。
「つっ大丈夫、ちょっと背中打っただけだよ」
「ごめんね、まさか倒れるとは思わなくて…」
「いいよ、たいした怪我もしてないから」
雅は私の上で謝り続けていた。
「あのーお二方?そろそろ起き上がったほうがいいかと思うんだが…」
隼人の一言で今の状況を思い出した。
駅前広場のど真ん中でよそから見れば私が雅に押し倒されてるような状態だった。
「うぁ!ごめん!」
やっと状況に気付いたのか、雅は私の上からそそくさと立ち上がった。
私も恥ずかしかったのでさっさと起き上がり服や体を払った。
===
私達は予約してあった新幹線の切符を受け取り、雰囲気を出すため駅弁などを買い込んだ。
「新幹線じゃあっという間についちゃうかもしれないしあんまり意味なかったかもねー」
「いいんだよ、こういう行事は雰囲気が大事なんだぜ?」
「確かに僕もそれは賛成だね」
「うわーん、真依に裏切られたよ幽夏~」
「はいはいさっさと乗るよ」
「うぅ幽夏まで…」
新幹線に乗り込むと先程買った駅弁やお菓子等を広げる。
1年に1回のイベントに私達は心躍らせていた。
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