Unknown Girl【夏の出来事】

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=== 楽しい移動時間はあっという間に過ぎ去り、私達は目的の新青森駅に着いた。 「んー東京より涼しくていいね!」 「今日の東京はかなり暑かったからね」 「ゆかっちの田舎こっからどれくらいだったっけ?」 「4年前も行ったじゃない、忘れたの?」 「細かいことは気にしない主義なんだぜ」 「あーはいはい」 「うわっ、ひでえ」 「確か幽夏のおじいちゃんが車で迎えに来てくれるんだよね?」 「そうそう大体車で1時間ぐらい、ってもう来てるし」 改札を出てすぐの道路に見慣れたワゴン車が停まっていた。 「おお!皆でかくなったなぁ!」 「おじいちゃん久しぶり、相変わらずおじいちゃんは元気そうだね」 「ったりめえよ!じいちゃんはひ孫見るまで死ねないからな」 祖父は気さくな性格で幼なじみ3人からも親しまれている。 「今年もお世話になります」 「おう、んな堅っ苦しいことはいいから早く乗りな」 === 車で移動すること約1時間、山中にある目的の祖父母の家に到着した。 「お邪魔します」 「いらっしゃい、まぁ皆大人っぽくなっちゃって」 「ただいまおばあちゃん、いつもの部屋空いてる?」 「もちろん、ちゃんと綺麗に掃除してあるよ」 「ありがとう」 いつもの部屋とは和室のことで祖父母の家の和室は4人でいるには調度いい広さなのだ。 なにより広い和室は旅行っぽい雰囲気を演出してくれる。 「じゃあ毎年恒例のやつ撮ろうよ!」 「カメラの置き場所はこの辺でいいかな?」 「おう、バッチリだぜ」 「おじいちゃん、おばあちゃん、写真撮るよー」 夏休み旅行は着いたら全員で写真を撮るのが私達の決まりだ。 「いくよー」 真依がセルフタイマーのシャッターをきる。 …、…、…、…、パシャッ 「よーし、じゃあ夜まで山散策でもしようぜ」 「お、いいねー」 「念のため懐中電灯も持って行こう」 「うん私もそれ賛成」 皆小鞄に懐中電灯と飲食物やゴミ袋などを入れて出発した。
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