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仕事が終わり帰宅途中の事だった。
人通りはお世辞にも多いとは言えない道路だがまだ、ポツポツと人影が見受けられた。
時刻は午後8時を過ぎていた。
今日は珍しく残業はなかったとは言え、こんな時間だから辺りは闇に包まれ、所々街灯の灯りが闇を押しのけ偽りの明かりを落としている。
そしてその落とされた明かりの端、闇と光の境辺りに見覚えの有る姿が目に止まる。
名前は知らないが、短めの黒髪のストレートヘアーを後ろで纏め、パッチリと開いた瞳に口元から顎の辺りにニキビと思われる跡が見受けられる。
身長は160位でスタイルははかなり良い方と思う。
歳は20代半ば位のとても陽気な娘
そんな彼女に気付き車のスピードを緩めると苦悶の表情を浮かべながら足を引きづりながら自転車を押しているので少し前に止まり車から降りて声を掛ける。
「おい、どうしたん?
その足…」
「あっ、お疲れ様です。コレはさっき物陰から何かが飛び出して、避け損なって捻っちゃいました。」
「ちょっと見せてみな。」
言って縁石を座らせ彼女の足を診ると少し腫れてる様で熱も持っている。
「家迄どのくらいある?」
「え~と、だいたい15から20分位ですけど…」「なら乗って行きな。
その足でそんなに歩いて居たら余計悪くなりかのいから。」
「あっ、でも…」
「もしかして俺警戒されてる?
心配なら俺の免許証家に付くまで預けて置くから…」
「いやいや!!そっちの心配はしてないけど…自転車が~」
そう言って目線を自転車に落とす。
「そっちの心配もいらないよ。
後ろの座席倒せば載せられるから。」
そう 言うと目を泳がせながら渋々と承諾してくれた。
俺って体臭クサイのかなぁ~?
などと思いつつも載せる準備をする。
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