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「ん、なるほど…まぁ~態度は置いとくとして他に言葉がないかい?」
意味が分からない
深刻に悩んでいる。
又、その姿が余りにも可笑しくつい笑ってしまい、
彼女が噛みつかんばかりに怒ってしまう始末で少し身の危険すら感じる程だった。
「全く失礼じゃないですかぁ!
人が本気で悩んでたのに…」
「スマンスマン…その悩んでる姿が余りにも可愛いかったから…」
「そんな事言われても嬉しく…って…アレも刻凪さんのペットですか?」
ソッポ向いた先の闇の中から全身真っ黒で瞳だけルビーの様に真紅の【狼】か【狗】と見られる獣が一匹此方の様子を伺っている。
「アヤツは【ヘルハウンド】!!」
ーーーヘルハウンドーーー
姿は獰猛な犬か狼の様な姿をしていて霊力が低い者がコイツと眼が合うだけで即死させられ…
その後死肉を貪り喰うと言われて居る。
「タケル…この娘を頼む…
お前さんは目を伏せてな!
奴を見て無事だったのは運が良かったと思え、普通なら死んでても可笑しくなかったのだから…」
俺は背中越しに2人に言ってヘルハウンドへと向かって行き、
同時にタケルは彼女の正面に【実体化】し、腕組みして立つ。
「さて、そこのワンコウに相談だが今日は見逃してやるから、このけなんて掛けないでサクサクって殺っちゃって下さいよ~!!」
罵声はもっともだが、
タケルの後ろからこっちを覗いて言ってるものだから、イマイチ迫力みたいなものが感じられない。
「と、リクエストが来てるけど…って聞いても無駄か。」
そもそもヘルハウンドに人間の言葉など通じる訳もなく、
証拠に奴との間合いはおよそ3メートル程度まで手ブラで近づいて居る、
にもかかわらず小さく威嚇して居て逃げようとする素振りすらないくらいだった。
そして、その場から更に一歩俺が歩を進めると、
まるでそれ以上踏み込んでくるなと云わんばかりに大音声での威嚇に変わった!
「戯けが!貴様が 如何に喚こうが助かる道は2つ
…いや、一つか…
どちらにしろ、そんな遠吠えで俺が怖じ気付くと思っていまい。
今一度だけ警告する…
10秒だけ待ってやるからこの場から去れ!!」
言ってカウントを開始したが一向に逃げる気配すらなく、
それどころか残り2秒となった時に俺目掛けてその顎を向けて襲い来る!
「馬鹿が!!」
俺はそう言うなり両手を胸の前で重ね、
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