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「君は知っているかい。この森が、この沼が、ギルドによって封鎖されているわけを」
明らかに上から目線に話しかけてくるこの男の名はライリー・マスタル。今を生きる大貴族の御曹司だ。
かという俺は何が悲しくてこの男の前に跪かなければならないのか。
しかし、今俺は体中に傷を負って両腕を屈強な男たちに抱えられ、無理やり跪かされている状態だ。
足には膝の裏に鋭い切り傷や走り、足を動かそうとしてもまともに動かせる状態ではない。
「それで大貴族様はこんな俺なんかをこんなところに連れてきてどうするつもりだ」
こんな格好をしているから説得力は無いが俺も大貴族の一人だ。
…………呪われた大貴族の………
「君はいつもそうやって僕に刃向かおうとするね。その方がやりがいがあるけど」
そう、このようなやりとりは日常茶飯事だ。ただ訓練所で的になるか外で的になるかの違いだけで、いつもと変わりが無い。
強いて言うなら何時も止めてくれる親友がいるかいないかの違いだ。
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