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「君は龍と同じ最後を辿れるんだ。こんなに光栄なことはないだろう!」
狂ったように笑い出した。
「ふざけるなよ!俺は……」
まだ何もしていない。
まだ親孝行も、人の役にも、友人への借りの精算もしていない。
「それを決めるのは君じゃない。この僕だ」
ライリーはただ一振り手にした杖を振り抜いた。いつの間にか両脇を抱えていた男たちは遠くに離れてニヤニヤと下品な笑みを浮かべていた。
「やはり君は生まれるべきでは無かったのだよ!」
風が撫でるように体を包み込み、動かぬ体は中に浮いていた。
「さようなら、落ちこぼれのソル・ダウナー君」
そして優しい風は俺の体を沼の真上に運び、ライリーがまた一振りすると同時に重量に従い体が沼へと落下していった。
「くそおおぉぉぉぉ!」
最後に聞こえたのは一生忘れられないあの狂ったような喚起の声だった。
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